初期与信(しょきよしん)
初期与信(しょきよしん)とはクレジットカードやローンカードの発行時に申込書の記載内容や個人信用情報などに基づき審査を行い与信額を決定することです、スクリーニングともいいます。
これに対し発行後、利用状況を追跡調査することを「途上与信」(モニタリング)といいます。
初期与信は申込み時点での申込者の信用度をはかることであり、途上与信はその後の変化を見ていくことです。
初期与信によりその後取引をするかしないか、するとした場合の取引額の上限はどこまでかということを決定するわけですから、初期与信の如何によって金融機関と利用者のその後の関係が決定されるといっても過言ではありません。
初期与信の手順としては身分証明書と本人の確認から始めます。
対面の与信や自動契約機で免許証が提示されている場合には写真と本人の顔が同一かを確認します、保険証などの場合には写真はないわけですが、所持している以上は本人だろうという推定と本人じゃなければ知り得ないであろう質問を組み合わせることで、本人確認を行います。
インターネット申込みの場合にはFAXで送られてきた身分証明書の情報と申込み内容に矛盾がないかが本人確認の手段となります。
次に確認した氏名と生年月日から個人信用情報の照会を行い、クレジットやキャッシングの利用状況を確認します。
この段階でクレジットの利用残高がなくキャッシングの利用履歴がない場合、最も安全な顧客と判断されます。
次に年齢、家族構成、年収、勤め先、勤続年数、住宅などのパラメータから与信限度をはかります。
現在は診断プログラムにより、コンピュータで与信額の算出もできます。
スピード審査と謳っている場合には機械的にコンピュータ審査で終わらせていると考えられます。
対面審査でベテランの金融業者が見るのであれば経験や勘も加味して審査することになります。
自宅と勤務先に確認の電話を入れるなどして申告された情報の信憑性の調査もするのですが、最近はこれを初期与信を出した後に行うことも多いです。
初期与信が完了しOKとなれば申込額(場合によってはその一部)の融資がその場で実行されたり、ローンカードが発行され、ATMから現金引き出しが可能になったりします。
カードローンだと、ATMからの引き出しと返済を任意に繰り返すことができ、初期与信で融資枠がきまれば、その範囲で自由に使えるように思いますが、利用のたびにモニタリングが行われており、他社のカードを作ったり、そのカードでキャッシングを行ったりした場合、カードが利用停止になったりします。